海と山に囲まれた都市
意外と近い「富山」
日本列島の日本海側、中央に位置している富山は都心から離れていて遠いイメージがありましたが、新幹線の開通などで交通の便が良くなり、今では都心から2時間で行ける都市です。新潟県と長野県、岐阜県と石川県に隣接し、海と険しい山々に囲まれていますが、新鮮な魚介類や山の幸が豊富にあり、県内の各地で美味しい食事を楽しむことができるとして連日多くの観光客が訪れています。
豊かな自然がもたらす美味しい空気と水
3,000メートル級の山々が連なる立山連峰と黒部峡谷、水深1,000メートルを超える深い湾がある富山はダイナミックな変化にとんだ地形をしています。自然の厳しさを感じることも多い反面、多種多様な動植物が見られる、1年を通じてきれいな水が生まれるなど、暮らしを支える重要な資源にも恵まれています。
また、美味しい空気と水によって良質なお米も育まれています。全国的にも有名な「コシヒカリ」は新潟産のイメージが強いかもしれませんが、富山産のコシヒカリも高い評価を受けています。それ以外にも富山オリジナルの「てんたかく」や「てんこもり」も生産されています。さらに、平成30年には評価が高い品種として有名なコシヒカリの課題を克服した「富富富」もデビューしました。13年という長い開発期間を有し、富山の人と水、大地によって育まれた「富富富」は今後人気の品種となっていくことでしょう。
富山の産業
富山市は古くから北陸道などの交通の要所として栄えてきましたが、たびたび戦乱にも見舞われています。特に激動の時代であった安土桃山時代には戦乱に巻き込まれながらも治水事業がスタートし、地域の特性を活かした農作物を生産していました。その後、江戸時代になると薬業や和紙などの産業が推奨され、さらに飛騨街道や北前船航路など交通の便も整備されたことにより「薬のとやま」として全国に地名が広まっていきました。
明治時代になると豊かな自然を源とした水力発電所も建設され、工業の街としても発展していきます。ですが、戦争によって壊滅的な被害を受けてしまいました。戦後は都市基盤の整備や産業経済などに力を入れ、現在は日本海有数の商業都市として発展しています。
「薬の街」としてのイメージが強い富山ですが、近年は環境やバイオテクノロジー、IT関連の産業にも力を入れています。また、立山連峰をはじめとした豊かな自然を活かした観光産業にも積極的に取り組んでいます。