薬の製造体験ができる「池田屋安兵衛商店」

富山といえば「薬売り」

置き薬文化が学べる観光スポット

昭和11年創業の老舗薬問屋「池田屋安兵衛商店」には富山の置き薬文化が学べる場所として多くの観光客が訪れています。老舗商店らしく、白壁と瓦の土蔵造りで、正面の暖簾には「越中半魂丹」と大きく書かれています。富山の薬商人に必要な「信用」「伝統」「研鑽」の3つを極めることを表す「角三の屋号」を暖簾の中心に据えていることから、薬問屋として高い矜持を持っていることがわかります。
富山には製薬会社が80社以上ありますが、「池田屋安兵衛商店」は昔ながらの対面販売にこだわっています。薬の効果を上げるためには症状に応じた正しい処方が大切です。対面販売をすることで店を訪れたお客様の体力や体質を正しく聞き出すことができるため、適切に処方できるとして、「池田屋安兵衛商店」ではこのスタイルにしているそうです。

丸薬製造体験ができる

店舗では胃腸薬「反魂丹」の製造体験もできます。使い込まれている木型に、柔らかく粘土状にした薬を左足で押し出しながら8ミリほどに裁断していきます。その棒状になった薬を板の上に乗せて均等に力を加えながら円を描くようにゆっくり動かすと丸薬になるわけですが、簡単に見えても実際に体験してみると力加減が難しいらしく、なかなかうまくできないようです。多くの観光客がワイワイしながら楽しんで作っています。
製造体験ができるのは全国でもこの「池田屋安兵衛商店」だけです。旅の忘れられない思い出作りとしてたくさんの人が訪れています。

薬膳料理も楽しめる

店舗の2階ではかつての製薬所を改装して、漢方を取り入れた食事を提供している「健康膳　薬都」があります。薬膳は食べにくい、というイメージがあるかもしれませんが、こちらの薬膳は素材の味が感じられる薄味で食べやすいのが特徴です。季節に合わせた旬の食材を使って、夏は身体をクールダウンさせる食事を、冬は身体を温める食事を提供しています。
滋味深い料理が楽しめるとして多くの人でにぎわっていますが座席が限られているため、健康膳が目的なら前もって予約しておくといいでしょう。